散歩好きを公言しているけど一人で歩くのは全然好きではなくて、好きなのは誰かと一緒に遠くまでただひたすら歩くこと。
その原体験として、高校生の時によく同級生と3,4時間かけて加古川から三宮間までひたすらママチャリを漕いでいたことがあると思う。
理由は「三宮のアニメイトに行きたいが電車代はケチりたい」という加古川に住むオタクなら誰もが抱いている(?)願望だった。
中学3年の時に「三宮まで自転車で行けば電車代がかからない」というアイデア(?)が思い浮かんだ。
すぐに友人を焚き付けて実行に移した。
朝6時頃に出発してグリーンスタジアム神戸(当時)を過ぎたあたりまでは順調だったが、その直後にある高台をどう進んでも乗り越えられないまま夕方になったので、三宮到達は諦めて泣きながらその場所から撤退した。帰宅途中に明石の吉野家でその日初めてまともなご飯を食べた。
今思うとGPSが利用できない状態で紙の地図で自分の現在置を把握するのはかなり難易度が高い。というか現在置の認識を誤っていた可能性が高かった。未踏の場所だと大人でも難しいと思う。山での遭難に通ずるものがありそう。
それから1年ほど月日が流れた高校1年の時に、今度は「2号線は""1本で""神戸まで続いているからただひたすら沿って行けば三宮まで辿り着く」というアイデアが舞い降りてきた。
同じ友人にこのアイデアを話し2回目に挑戦した。
「今回は何があっても絶対に辿り着く」という覚悟があったため朝3時に出発することにした。
2号線に沿ってただひたすら進むというアイデアはよかった。
- ただひたすら進めばよい
- 道路案内標識で残り距離が減っていき達成感がある
- 最初は「明石 xx km」だったのがある時「神戸 xxkm」となりそこから数字が減っていく
後者が特によくて、数字が減っていくたびに「今回は行けるぞ!」「いけるいける!(ファラ・エルステッド)(CV: 皆口裕子)」みたいに叫んでいた記憶がある。
この2回目は全く詰まるところがなかったため、3時間ほどで午前6時には三宮に着いてしまいその後10時頃までただひたすら時間を潰した。朝日に照らされる誰も人がいない三宮は体験が良かった。
この回の成功で味を占めた僕は、その後他の同級生を焚き付けて何回もママチャリで三宮に行った(大体の同級生は1回行くともういいわとなった)
この原体験があって、誰かと一緒にただ前へ進み遠くへ行くことが好きなんだと思う。誰かと一緒なら道中は楽しめるし辛さは共有できる。進めばゴールまで必ず近く。こんなに単純に達成感を得られる遊びは他にないんだよな。
「俺は絶対に他の奴らみたいに卒業文集を『最高の仲間』『修学旅行』『文化祭』といったありふれたテーマで書かないからな!」という強い信念を持って高校最後の時を過ごした結果「(アニメイトに行くために)三宮までオタクとママチャリで片道3時間走った話」を卒業文集に書いた回(痛いオタク回)
— しふみん (@shifumin) 2018年5月9日